人工知能を研究するにあたって、初期の段階で男女間の恋愛や結婚を最適化できないか考えていた時期があった。(我が国の離婚率が50%を上回っていることもあり)
結論からすると、あまり意味がないため自分でやらないことにした。
意味がない、というのは、この分野にやる余地が全くないのではなく、まず、人間のマッチングアルゴリズムが既に最適化されているからである。
カップル、特に夫婦間の近似性、類似性は驚くほどのもので、既に人間はパートナーを見つける何らかのシステムを内在しているとしか思えないほど、似たような人同士が結びついている。
例えば、ある種の家庭環境、思想、志向といった全てが一致していることはありえないが、驚くほど似ている箇所が見出せる。
カップルはどこで結びつくのか?それ自体は研究する余地がある。思想なのか、志向なのか、DNAなのか、あるいはその全てか部分ならどこか。
しかし、それが「何か」はわからないが、人間は既にそれを選ぶ能力を持っている。
根拠は?自分の観察と経験でしかない。だから、反証は大いに歓迎したい。
そして、100%の相手だと、マッチング推薦をAIが行った場合何が起こるだろうか?多くの人が、AIによって選ばれた相手を提示されても、これが本当に自分に合うの?が第一声だろう。
それは、人間は誰しも「欲」があり、自分の理想の相手というものがある。
従って、第三者からこの人がお似合いだ、と言われても納得できないのと同じで、人工知能によるマッチングというのは可能であってもそのようなものになる。
(もっと詰めれば、進んで主観的に選んだ間違ったパートナーと、客観的に推薦された気の進まないパートナーと果たしてどちらと一緒になることが幸福になれるのだろうか、というテーマも存在はするが。)
従って、ティンダーのようにひたすら出会いそのものを増やすことや、そもそも自分自身の恋愛のレベルを上げる教育、恋愛相談所のものの方がより意味があるだろう。(あるいはやはり義務教育に夫婦間の道徳や子育ての教育を盛り込むなど)
ただ幾つかの既存にはないアルゴリズムを導入することで、より精度の高いマッチングシステムを作ることはできると思っている。(主に教育システムベースではあるが)
例えば
①友人評価システム
シンプルに自分の友人にレコメンドしてもらう、および相手の友人を見て人柄を判断する、という両システムをアプリなどWebベースで構築する。つまり、どういう人間と友人であるかはその人となりを現す+友人からみてどういう人間が良いかを教えてもらう、の2つを組み込んで当事者のバイアスを低下させるシステム。
②Facebook友人情報収集システム
お互いのFacebookの友人の中からAIがサンプリングして、どういう人が周りに多いかを特徴付けして、その知り合いの特性から自分と合いそうな人物をレコメンドするシステム。①と付き合っている周囲の人間評価から人柄を知る、というところは変わらないが、より機械学習的で、データマイニングが必要になる。また、Facebookの友人数に偏りがある場合など、精度にばらつきが出るため、最初はティンダーのように顔写真+何かというパラメーター設定になるだろう。
③写真不要の精度の高い項目設定データベース型
これは仮説として幾つかの項目でカップルが結びついているとする。例)価値観、金銭感覚、容姿など。それらを数値化して、いったんデータベースを作成し、そこから相関関係をデータマイニングし、改めて関数を組み直す。項目入力だけなので、顔写真なしのマッチングが可能となる。以下自分が試しに作ってみた関数をあげてみる。
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○各項目0から100%までを持つ。
例えば女性恋愛の場合L10%、P70%、S40%、C80%もあれば全て100%もあり得る。%の初期値は本人主観。最も%が高いものを優先あるいは必須アルゴリズムとして、意思決定に最も影響を与える、と想定。
・アルゴリズムカバー範囲
例えば女性結婚の場合基本のLPSCで60〜70%、FE項目追加で80〜90%の精度仮定。
○女性
libido、preference、stable、compatibility、(family)(enforcement)
恋愛は主にこの4つの関数で決まると仮定。
(関数解説)
・Libido
最も基本的な欲求。独占欲や性欲といった1人称の割と一方的なものが多く、幼少期に最も見られやすい最初の恋愛衝動。
・Preference
集団の中で優位に立ちたいという願望。最も基本的な関数。ルックス、金銭など含む。主に名誉や自己顕示欲に関連したパラメーター。
・Stable
安定志向とも言う。経済、職業、性格などを含む。主に生存に関連したパラメーター。
・Compatibility
相性。居心地の良さ、価値観といったパートナーとの関係性や家庭建設を重視する。
○男性
libido、preference、support、compatibility、(family)(enforcement)
(関数解説)
・Libido
女性よりも長くこの関数を男性は引きずり易く、結婚においても重視し易い。
・Preference
見栄えのよい女性を選ぶ、ということ、あるいは家柄などもこの要素になる。
・Support
原則として男性は質的に安定をしているため、上昇、変化、破壊を求める傾向がある。従って、自身の立場を強化するため、あるいは成長、野心や目的のために女性を選ぶアルゴリズムが存在する。女性の場合は同様の行為が見られても、目的はPに含まれる。また、女性でも男性と同じS関数があった場合、それは10%の例外域に含まれる。
・Compatibility
男性の場合、S関数に類似してくることが多い。
○結婚の場合
上記3つに下記2つのアルゴリズム追加
・Enforcement
強制。家庭の事情や様々な事情により、本人の意思とは無縁に結婚が決定する。
・Family
相手あるいは自分の家族を含めて考える。
○結婚に用いられるべき真関数
Integrity, Discretion, Conscience, (Compatibility), (Family)
・Integrity
誠実。Compatibility(相性)は変化する。そして、結婚当初に生じなかったことが、生じることがある。それに対する対応力
・Discretion
思慮分別。広い知性。女性、男性らしさも含まれる。
・Conscience
善良。
上記恋愛関数から結婚関数へと導く(教育)
・恋愛関数は相互に一人称視点。結婚は二人称を含んだ視点。
・結婚関数は上記項目を自分が満たすことための指標。
観察
・結婚に近づくとSやCシフトに変わり易い。逆に変わらないあるいはF要素を除くと失敗のリスクが高まる
○発展
・男女各変数をまず自分が記入、次に友人など第三者最低二人にその数値で合っているか聞く
・実際にカップリングもしくは結婚した人間同士がどういう数値関係であったかを蓄積してデータベースを構築する
・そこからカップリングの因果関係を見つける。例えば両方ともLが高い数値同士が結びつくのか、あるいは男性のLと女性のPが相関なのか、など。
・データを取り続けることで精度を向上させる。
・導入のためにはもう少し関数同士の整理・因果関係把握は必要である
○仮説としての関数使用
WTV(Women Total Values)=L+P+S+C
MTV(Men Total Values)= L’+P’+S’+C’
MTV≒WTVなら相性がよい、など。