日本はよく「ご飯が美味しい」と言われるが、その理由はなぜかは不明であった。
「海に囲まれ山があるから」
「食文化があるから」
「日本人がグルメだから」
この辺の理由が上がるが、イタリアもフランスもそうだし、
日本だけの理由としてはイマイチ弱い。
そんな中、なぜ日本のご飯が美味しいか、
それがある料理を作ることで明らかになった。
その料理とは「ハンバーガー」である。
順を追って説明したいと思う。
まず、アメリカに住んでいた自分からすると、
日本のハンバーガーはまずい。いわゆる人気店とか行ったところで、
「食べられなくはない」くらいのレベルである。
だがしかし、初めてハンバーガーを自作してみてわかった。
日本で美味しいハンバーガーを食べようと思ったら、アメリカのレシピで自作したほうが、圧倒的に美味しいことに。
そしてこの事件がそのまま「なぜ日本のご飯が美味しいか」という謎を解き明かす鍵となった。
同じようにアメリカでは美味しいのに、日本だとまずくて食べられないのが
「ピザ」と「ホットドッグ」だ。
基本的にアメリカはほとんどのもので日本よりも食は劣るのだが、ステーキ、ピザ、ホットドッグ、ハンバーガーだけは日本よりも遥かに美味しい。
チーズや牛肉が違うのもあるが、結局ポイントは
「家でその料理を作るか作らないか」にあることに気づいた。
基本的にアメリカ人は家では料理を作らない。
専業主婦のような文化がないため、大抵は冷凍食品で済ますことが多い。
たまに家で作るのがハンバーガーやホットドッグなのである。
つまり、家で美味しいハンバーガーが食べられるということは
外食してお金を出してまでハンバーガーを食べるときというのは、
・より美味しい
・より安い
・それ以外の何か特徴がある
大きくはこの3パターンに分かれる。
マクドナルドは2、3番目のパターンに当てはまる。
つまり、家で料理を作ると、それ以下のものは、外で食べるようなものでない、となるのだ。
これが日本の食が美味しい理由に繋がってくる。
もちろん、日本は美味しい食材が手に入る環境にも恵まれているが、
「家庭における料理のレベルが高い」ということが本質的な理由ではないだろうか。
日本の家庭では和洋中イタリアンといったバリエーションに富んだものが、家で食べることができる。
料理を作れる人はいなくても、コンビニや惣菜でも和洋中のバリエーションがごく当たり前のようにある。
アメリカ人は家では和食は作らない。当然和食の味がわからないから、アメリカで食べる和食は美味しくない。
同じように日本人は家ではハンバーガーを作らない。
だから、日本で食べるハンバーガーは美味しくない。
これはイタリアで食べるパスタが美味しいこと、中国で食べる点心が美味しいことにも繋がってくる。
家庭で料理を作り、その料理の水準が高ければ高いほど、外食のレベルが上がるのだ。
また、日本の寿司のように、回転寿司という安いラインと板前という高いラインが両方あることも、そのジャンルの料理のレベルを引き上げる。
なぜなら同じ寿司が食べられるなら、より美味しいものでないと、あるいは特別な付加価値がないと、高い方の店には行かないからである。
回転寿司レベルの寿司を出すが値段は倍する寿司屋には誰も行かないだろう。
なので、その国の料理のレベルを上げたいときは、その上げたいジャンルの料理を家で美味しいものを作れるようになってくると、レベルアップしていくことになる。
日本でもアメリカ人やオーストラリア人が納得するピザやハンバーガーを食べられるようにするには、ピザやハンバーガーを作る家庭を増やすことなのだ。