男性が腕時計を身につける理由は大きく分けると3つであろう
①機能(時間を知る)として
②ファッションとして
③ステータスとして
まず①に関してはスマホ、デジタルウォッチに敵う時計はない。
アナログの時計はたとえトゥールビヨン(1000万円くらいの機構)を積んでいたとしても、必ずズレる。
次にメンテナンス面もデジタルの圧勝である。
デジタル時計は基本的にズレないし、仮にズレても一瞬で修正できる。
それに対してアナログ時計は電池交換および修理に出すことが前提になっているため、数年ごとに更新コストが必ずかかり、修理に出す必要もある。
正直言って、時計本来の機能を求めるだけであれば、時計に関してはデジタル一択である。
(ただし、スパイのような特殊な職種においてはアナログでないと果たせない機能もあるかもしれないが)
デジタル腕時計、スマートウォッチは時計業界では革命的である。
デジタル腕時計がある中で、あえてアナログの腕時計を身につける理由の1つがファッションとしてである。
男に許された唯一のアクセサリーであり、宝飾。それが時計である。
しかしこれも、最近のスマートウオッチは、文字盤もベルトもカスタマイズできるようになっており、デジタルなのにアナログぽく見せることもできる。
芸術品、ブランド品などを身に付けることで、テンションが上がる、という理由はあるかもしれない。モネやシャガールをいつも身につけてると思えば、数千万は安いのかもしれない。
最後にステータスとしての腕時計だが、最も高い時計だとリシャール・ミルで大体2000万円以上はする。(方やスマートウォッチはものにもよるが大体数万円台だ)
男性、特に経営者が高級時計を身につけるのは、それくらいの時計を買える身分ということをアピールすると同時に、同じクラスの経営者に「時計」という話題のとっかかりを持つ意味との二つある。
銀座のクラブなど女性ウケという意味では前者だけだが、後者は商談目的、という要素も含まれている。
だが、例えば同じリシャール・ミルでも数千万のものから数億のものまである。
ある経営者は数千万の腕時計をしていたが、相手が自分より高い時計をしていたため、投げ捨てた、という話がある。
そう、ステータスとしての時計は際限のないマネーゲームにもなりえる。
年収1億円にいったかと思えば、10億の人が現れ
資産が100億円いったかと思えば、1000億円の人が現れる
そして頂点までいったかと思えば、ロックフェラーのように今度は失うことが気がかりでで眠れなくなる。
そもそも数千万から数億のものを身につけていると、時計が気がかりである。
特に海外で時計が盗まれたなどという話が報道されるが、落ち着いて旅行もできたものではない。
そうつまり、いったい今の時代であえてアナログの腕時計を身につける理由を知りたいのだ。もはや明確な理由はなく、個人の趣味嗜好以外の世界となってしまっている。
もっといえば、スマホが時計の機能を果たしている。わざわざ、腕に身につけていると鬱陶しい。
まだビジネスシーンにおいては、さりげなくスマホを見るよりもさりげなく時計の方がよりさりげないが、これも時代が変われば、そんなマナー多分誰も気にしなくなるだろう。
結局まとめると、唯一納得感のあった理由はファッションとして、特に「時計をアート」として捉えること、それによる感動や芸術的な感性による付加価値だ。
眺めるためにテンションが上がれば、人生が少し豊かになるのかもしれない。
恐らくそれは高級車を持つことととも似ているのだろう。飽きるまではテンションが上がる。
つまりそれは、高級車でも、あるいは絵でも良いということだ。
違い、時計である特徴は常に身につけている、ということである。
ここにきて、女性が宝石を身につける理由と近似してきた。
女性が高価な宝石を身につけるのも、常にテンションの上がるものが近くに欲しいのだろう。
そうするとつまり、高級時計を身につけている男性は
人生をほんのちょっぴり豊かにするために、数千万を惜しまず払える
そこにダンディズムが生まれる、ということなのだろう。
この本質を外して高級時計を買うと、見事に残念な金持ちになるのだろう。