IT人の政治リテラシー向上を目指して

元政治家秘書、現IT起業家が主にIT起業家、エンジニア、デザイナーなどIT業界人の政治リテラシー向上を目指して、日々のニュースや政治トピックについて言及。たまに起業ネタや映画、アニメネタなども。ちょっぴり認識力が上がるブログ。

日本は世界でどう勝負しようというのか

2018年、中国の深センに行った時感じたことは

「テクノロジーではすでに勝てない」ということであった。

 

当時のoppoIPhoneよりもカメラの性能が良い、という話を聞かされ(しかも値段はもちろんiPhoneより安い)衝撃を受けた。

 

当時、多少なりとも日本に危機感を感じていた人は製造業はもう無理で、

これからはソフトウェアやコンテンツ、ゲームやアニメといったクリエイティブな分野で勝負しよう、と盛んに話合っていた。

 

それから3年後、2021年の今日、鬼滅の刃の大ヒットとは裏腹にコンテンツでさえ危ういと言わざるをえない状況になっている。

 

最近、中国のテンセントなど、ゲームスタジオを買収し、アニメーターをどんどん囲い始めている。

 

それだけでなく、アニメやゲームが好きで日本に来日した中国人が、中国に帰り、日本ぽい絵の作品を作れるようになってきている。

 

スマホゲーム、「原神」はまさにそんな流れできたゲームである。

まだ、スタジオジブリのような作品は生まれてないものの、正直時間の問題ではないかと思われる。

 

アニメやゲームがダメでも、日本には「食」という最後の砦がある。

日本人の金持ちが海外に移住しない唯一の理由は食ではないか、という説もあるくらい、日本の食文化のレベルは高い。

 

フランスで活躍する日本人シェフも多く、今やフランスの料理界は日本人無しでは成り立たないのではないか、とまで言われている。

 

しかし、これも、「食材」というカテゴリーにフォーカスすると、難しい問題になってくる。

 

日本は欧米では使用禁止になっているような農薬が未だに使われ、既にEUには輸出できない状態になっている。

 

牛肉も野菜、果物もオーガニックで品質の良いものが、欧米の方が安く豊富に手に入るのが現状だ。

 

これが、もし中国で起きたらどうなるだろう?

 

中国の方が圧倒的に土地が広い。今は、中国の食品は不安というのが、中国でも日本でも通説だが、中国でオーガニック農法が流行り、品質の高い食材が日本よりも安価で手に入るようになった時が、いよいよ日本が危機的になるところではないだろうか。

 

またTPPに反対した時のように、鎖国して自国の作物を守ろうとするのか?

そんなことを繰り返していれば、いずれ優秀な人材は全て海外に出てしまうだろう。

 

アニメーターも、既に中国の会社で仕事をした方が待遇が良い、という話になってきている。

 

日本の最後の砦である食文化も、このまま行政が食材をおざなりにするような政策を取り続ければ、シェフもいなくなり、それに伴い、金持ちもいなくなるだろう。

 

日本人は世界的に真面目で、国も治安が良いなど素晴らしい点が数多くあるが

現状、残念な国家と民族になってしまっているのは、大きく二つの問題がある。

 

一つは国も企業も、人も保守的であることだ。守りに入ってしまえば、あとは衰退するしかない。田舎に行くと特に酷い。日本で守りに入ってないエリアはおそらく東京だけだろう。企業も一部のスタートアップで、とてつもなく優秀な人材がお金のことも考えず、ビジョンに向かっている会社があるだけで、多くの大企業は既に事業会社ではなく投資会社になってしまっている。

 

もう一つは従順すぎることだ。貧困になろうが、どれだけ政治が腐敗しようが結局、体制に対して何か意見をする、あるいは変えようとせず、愚痴と不満をこぼしながらも、おとなしく税金を収める。

会社や社会のいうことにことごとく従う風潮は、ともすれば、国民が国に対してなんのガバナンス機能も果たしていない、無責任な人間である、ということだ。

日本人は、ものを言わないことを美德とするが、それが無責任だということにいつ気がつくのだろうか。

 

何も考えないことと、平和主義を混同していないだろうか。

 

日本が貧しくなってきていることは、東南アジア諸国を旅すればすぐにわかる。

 

そしてまだ、治安が良く、食べ物が美味しく、民度が高いから、比較的日本の方がいいよね、となっている。

 

しかし、一体そんなもの、いつまで続くのだろうか。