IT人の政治リテラシー向上を目指して

元政治家秘書、現IT起業家が主にIT起業家、エンジニア、デザイナーなどIT業界人の政治リテラシー向上を目指して、日々のニュースや政治トピックについて言及。たまに起業ネタや映画、アニメネタなども。ちょっぴり認識力が上がるブログ。

超高齢化時代の相続税と贈与税のあり方

超高齢化時代において、果たして今まで通りの相続税贈与税のままで良いのだろうか。

 

100歳まで生きて親が亡くなり、子が相続しても子供も既に70代80代となっていれば、そもそも子供の方が先に亡くなっているかもしれない。

 

また、70代80代で相続できたとしても問題は山積みだ。

・そのような資産管理や税金対策をすることがそもそも大変

・もらっても身体が悪いと医療以外に使い道がない可能性もある

 

そしてこれは国民、納税者側だけの問題ではなく、国に取っても良いとは言えない。なぜなら、例えば預金で相続が発生すると、相続税のみが税収となるからだ。

 

一度市中にお金が出回れば、消費税や固定資産税など他にも税収となりうるし、そもそも経済学的な乗数効果が全く異なる。

 

余談だが、そもそも日本の場合は消費税が高いことが問題なのではなく、トータルの税金が富裕層と健康的な人間に不利なようにできていることである。

 

例えばサラリーマン世帯、給与所得で年収が1000万であった場合、

所得税がまず33%に社会保障費が単身で100万円程度、税額控除があっても住民税が乗っかってくるので、手元に残るのは600万円〜700万円台くらいだろう。

およそ3、4割を税金で持っていかれることになる。

このうち、年金は積み立てで良いとしても、他の社会保障がどのように支払った税金のうち自身に返ってきているかの因果関係は不透明である。

医療費を支払う人は、元が取れるかもしれないが、健康的で病院にいかない人間にとって、社会保障費は殆ど税金と変わらない。

年金も、年収が2000万円台、あるいは企業の厚生年金や退職金が充実しているような場合は、あえて積み立てる必要もなく、国民年金が破綻でもしたら完全に税金と同じである。

つまり、お金を稼ぎ、健康であるほど、お金は取られるが、受けられるサービスの便益はない、ということが生じている。相互扶助といえば聞こえが良いが、少なくとも、税金の使い道は再考の余地があるだろう。

 

話を戻すが、高齢者が孫の学費を負担することは、税法上贈与にはならない

それに加えて、親族に限定して贈与税の上限を現行の120万円から例えば300万円にしたらどうか。

 

基本的にはお金を一番使うのは20代から50代までである。

 

これまでは、相続も70代、80 代で亡くなり、子供が40代、50代、もしくは60代であったからそこから色々な使い道があったが、その構図が変わりつつある。

 

基本的に年を取れば取るほど、お金を使うところが無くなり、自然、預貯金にまわる割合も増える。

 

それに対して20代から50代は、お金は使おうと思えばいくらでも使える年代である。

旅行、飲食、交際、大学、学習、結婚、家、子供の教育、趣味、娯楽

 

教育に限定せず、またアルバイトに学生生活の多くを費やすことなく、それこそ旅行でもなんでも使えるところを増やしたほうが、経済も回る。

 

それに対して、企業の賃金は変化しつつあるとはいえ、いまだに年功序列賃金であるため、若者はお金が必要な時にお金がない、というパラドックスはずっと生じている。

 

大学生も、アルバイトは良いが、本来の大学の目的は勉強することであって、アルバイトして、大学を卒業すれば良いというものでもない。

それが奨学金を返すために、アルバイトで大学生活を終えるのは矛盾している。

(ここも未だ学歴主義の企業の新卒採用が原因の一端にある)

 

高齢者や親が、子供の学費を払える家庭と払えない家庭があるのは、それこそ税金を投じることも一考の余地があるのではないか。

 

富裕層の中には、途上国の子供を個人的に支援するような人もいる。

それが、日本人の若者を支援することに置き換わるだけだ。

年収2000万で税金を半分持っていかれて、よくわからないマスクの製造費にされたりするくらいなら、前途有望な日本の若者一人を大学に行かせる、という使い道の方が、よほど払う側の納得感もないだろうか。

 

加えて、現状の住宅購入における非課税の対象も、親から祖父母まで拡大するのはどうだろうか。

 

三世代で考えたときに祖父母が90代、親世代が60代70代であるとすると、子供は30代40代である。ちょうど子供世代では家の購入の時期である。

 

対象的に、60代70代になって、新たに家を建てるということはないわけでもないだろうが、世の中的なニーズで比べた場合は、30代40代の方が子育てで、広い空間を必要になるため、ニーズが高いだろう。

 

国としては、贈与、相続で税収を賄うのではなく、消費税になるべく一本化して、トータルの税収で考える必要があるが、もし財務省内で各部署の税金担当がそれぞれの税収が落ちた落ちないで、勢力争いは出世が絡むと実現は難しいだろう。

 

基本的に相続税贈与税の見直しも含め、お金を使う目的がない人、使い方を間違えるところから、使い道がある人、正しく使うところに移動させる仕組みが必要である。

 

<まとめ税制に関する提案>

贈与税の上限を親族を限定に300万に引き上げ

・住宅購入に関する支援の非課税対象を親世代から祖父母世代まで引き上げ

・若者がアルバイトしなくても大学にいける仕組みを作る

・そもそも払った税金に対する便益をできるだけ明確にする