IT人の政治リテラシー向上を目指して

元政治家秘書、現IT起業家が主にIT起業家、エンジニア、デザイナーなどIT業界人の政治リテラシー向上を目指して、日々のニュースや政治トピックについて言及。たまに起業ネタや映画ネタなども。5分で読める1,000文字、10分2,000字を目標。

日常会話、ビジネス、ネイティブという3段階ではない本当の英語力

日本では英語のレベルを概ね、日常会話、ビジネス、ネイティブという3段階に分ける。

 

だが、実際は非常に曖昧で、ビジネスレベル、ネイティブレベルの中にもかなりの英語力の差がある。外資にいても話せないとか、TOEIC何点でも話せないとか(TOEICは試験自体が最近まで、会話試験がないから当たり前だが)よく聞く話である。

 

もっと言えば、実はネイティブレベルは第二言語を英語にしている人にはほとんど不可能である。言い換えると、ネイティブレベルの日本人などほとんど日本に存在しない。

 

また、よく「Times」や「Economist」が読める、という日本人がいるが、これも実際はちゃんと読めるレベルの人は少ない。もちろん、大体何を言っているかわかるレベルにはいくのは難関大学生レベルの英語力で足りるが、ちゃんと理解しようと思うと、圧倒的に語彙が違う。

 

英語はイギリスから発祥している言語なだけあって、実はすごく階級がハッキリする言語である。日本人が「話せる」と思い込んでいる英語はあくまで、国際的に標準化された「中産階級の英語」であって、「上流」と「下流」の英語はほとんどわかっていないのが実態である。

 

そして、「Times」や「Economist」は実はその「上流」の英語で書かれている。だから、例えばこの記事が不景気について話してる記事だな、というくらいの理解はできても、この表現は慣用句でどこから引用されてて、どういうニュアンスか、といったところまで理解しようとすると、一気にレベルが上がる。

 

TOEICが満点近くあっても、辞書が必ず必要になるくらい、1p辺りの語彙数がそもそも、中産階級の英語と違う。

 

英語の特徴は階級が上がれば上がるほど、語彙数が上がる。

ちなみに、下に行けばいくほど、語彙数は減るが、今度は日本人はスラングが慣れないのと、概念が違うため会話が難しくなる。

 

繰り返すが、基本的に日本人が習っている、あるいはこれが「英語」だと思い込んでいるのは、「中産階級の英語」である。TOEICなどのスコア基準もそれに合わせて作られている。

 

そういった事情からも、本当の意味で日本人が欧米のエリートコミュニティに入り込んでいけないのである。

 

例えば上流階級の英語は引用で日本でも有名なところでいえば、聖書とシェイクスピアである。だが実際には、それら以外にも、アメリカであれば、エマーソン、デューイ、ディケンズなど日本人が誰もが知ってるわけでもない、著名な人物の教養もある。語彙を含めた教養は、英語が話せるとか、海外経験があるからとかでは補えないところにある。文化や歴史的背景が必要になる。

 

また、翻訳や通訳にも実際は著しく幅がある。同時通訳レベルと観光ガイドの通訳はもちろんレベルが違う。

 

そして、重要なのは、英語は確かに世界語だが、「ネイティブ」と「ノンネイティブ」の差は遥かに大きい、というところである。それはどの言語にも言えるが、英語が世界語なため、肌感でそれがわかりづらい。

 

どういうことかと言えば、第二言語を英語としている人、例えば中国やインド人が話す英語は、アクセントを除けば、遥かにアメリカ人やイギリス人の英語よりもわかりやすい。それはヨーロッパで第一言語が英語でない、ドイツやフランスなども同じである。

 

なぜなら、彼らも同じように「中産階級の英語」を習っているから、語彙がほぼ同じなのである。またスピードもそれほど早くない。

 

だから、ヨーロッパ人や東南アジアの人々と英語で話をすると、自分もつい英語が喋れる気になるのだが、第二言語で英語の人とコミュニケーションが取れるのと、第一言語が英語の人々と遠慮なしに喋るのではわけが違う。

 

日本のTOEIC試験は満点を取っても全く「ネイティブレベル」に達しない。TOEFLでも然りである。

 

そうした諸々も含めた10段階評価を試しに作ってみた。

 

レベル1(挨拶レベル)

Hi, Nice too me to youが言えるレベル。1人では海外に出れない。

 

レベル2(旅行、買い物レベル)

ハワイなど海外に行って、ホテルやレストランで最低限のコミュニケーションができる。

 

レベル3(日常会話、旅行トラブル対応レベル)

外人と一緒にご飯、飲み会に行ける。ご近所付き合いできる。このレベルから相手が優しいとギリギリ友達もできる。日本で言われる三段階の日常英会話レベル。旅行でトラブルが起きてもある程度までは対応できる。日本人の大半がこのレベルに所属している。

 

レベル4(ビジネス会話、プレゼンレベル)

ビジネスの話が英語で多少はできる。電話、プレゼンなどテンプレートのあるものは対応できる。TOEICだと650点くらい。日本で言われる三段階のビジネス英語レベル。日系企業で海外に行く人の足切りレベル。

 

レベル5(専門、ノンネイティブ、即応会話レベル)

自身の専門領域の英語なら会話ができる。ビジネスプレゼンで質問された時など、咄嗟の対応ができる。また、ノンネイティブ、英語が第二言語の人々と同じレベルでそれ程苦なく話せる。TOEICだと800点以上。いわゆる帰国子女でもブランクがあると、大体このくらいのレベルが多い。

 

レベル6(簡単通訳、国際結婚、ディスカッションレベル)

簡単な通訳と、英語で議論ができる。アメリカの大学院などに留学するには、最低このレベル。TOEICだと900点以上。一般的な帰国子女、外資に英語力で採用されるレベルもこの辺りからである。国際結婚して身につく英語力の最低ライン。ヨーロッパなど、日本以外の第二言語が英語の国の平均的な英語力も大体この辺り。

第二言語で現地採用も含めると、ネイティブレベルの英語力は必要ない。外資系企業の役員レベルもこのレベルで充分なれるため、ビジネスパーソンとしての英語力はこのレベルで充分。

 

レベル7(翻訳通訳、ビジネスパートナーレベル)

大体の翻訳通訳はできる。また、語学力の信頼も含めビジネスパートナーになれる。

日本人で自信を持って英語が話せる、というのは大体この辺のレベルまでである。ちなみに、ここからTOEICでは計測不能。日常的に英語を使う仕事にないと、このレベルの英語力の維持はなかなか難しい。

 

レベル8(ネイティブレベル)

第一言語が英語の人たち。つまり、英米人と同じレベルで会話、アクセントが取れる人たち。帰国子女でも少ない。ここまで来ると、企業ならむしろアメリカ人として採用される、というレベル。日本人でも海外で生まれ育って日本語が第二言語の人がこのカテゴリーになるが、そもそも日本人カウントする方がおかしい。

 

レベル9(英米外務省同時通訳レベル)

英語ネイティブレベル+教養+日本語力。

英語力単体なら、ネイティブレベルで対応可能だが、二つの言語をハイレベルな領域にまで仕上げないといけないため、ネイティブの中でも更にごく一部の上の人々、というカテゴリーになる。とは言え、各国首脳が外交の席で話す内容は限られてもいるし、非ネイティブと話すため最高レベルではない。

 

レベル10(上流階級英語レベル)

英語ネイティブレベル+教養+語彙力。

「Times」や「Economist」を辞書を全く使うことなく読みこなし、英語でユーモアが言え、英米人のエリートコミュニティに肌の色以外では完全に認められる教養があるレベル。エリアで言えば、ニューヨーク、ワシントンDCなどアメリカ東海岸か、イギリスでもロンドンに限定される。ちなみに、アクセントが少しダメでも、教養と人徳でコミュニティに食い込める場合もある。

アメリカ人でもハーバードロースクールを出て、トップファームに入るレベル。いわゆる、エリート層にあたるため、そもそも英米人でもこの層は少ない。