IT人の政治リテラシー向上を目指して

元政治家秘書、現IT起業家が主にIT起業家、エンジニア、デザイナーなどIT業界人の政治リテラシー向上を目指して、日々のニュースや政治トピックについて言及。たまに起業ネタや映画ネタなども。5分で読める1,000文字、10分2,000字を目標。

人工知能領域に関する考察メモ①

ディープラーニングに関して

 

人相学を例に考えてみる。仮にAIが人間の人相から、その人間の性格や嗜好、感情が読み取れたとする。(これは文字でも構わない)

 

そうするとAIによる処理は人相であれば人間の顔の部分部分を特徴抽出して計算することになる。まず眉毛、目そして鼻から口、とおよそ数十カ所程度の領域であらゆるサンプルを学習させた後、計算させる必要がある。

 

一方で、人間も卓越した捜査官などは直感で、人相で犯罪者がわかったり、あるいは一般的な人々も友人が悩んでいたらそれを表情や言動、行動で察したりすることができる。

 

この時に人間が行っているのは果たして“計算”なのかどうかはわからないが、顔を部分別パーツにして計算をしているのだろうか。あるいは、意識的に訓練してパーツ毎の特徴を捉えているのだろうか。

 

人間にとってこの場合観察される事態は、概ね、何となくわかる、ということだ。何故なら、意識的にこうした識別が行われているのであれば、容易に自身の下した結論を明確に言語化できるはずだが(目が3度傾き、唇が少し青ざめ頬がこけているから疲れている、など)こうした人間に対する評価をしばしば人間は明確に表現することができない。あるいは、仮に表現できたとしても表現できるからわかるのではなく、わかるから表現できるのである。

 

その“何となく”というのは、大部分は無意識領域によって蓄積された情報量を無意識的に計算している場合か、あるいは情報量の蓄積に依存しない無意識領域の計算のパターンと、あるいは“計算”とは違った方法で導出しているパターンと概ね四つのパターンがあり得る。

 

学問として表情学を学び、それによって意識的に理由を言語化できる場合もある。lie to meというドラマで描かれているのはその世界だが、体型化され意識化された場合、同じ結論を人間が下す速度と精度はどれほど向上するのであろうか

 

ここで指摘したいのは、AIに機械学習させて画像認識させてアルゴリズムによって人相を判断させた場合の結論と、人間が直感的に結論を下した場合の精度と時間、コストにどれほどの差異があるか、という点である。

 

例えば現在既に、風邪などの医療診断や車の運転はAIの方が、平均的には人間よりも精度が高く事故が少ないとされる。

 

つまりその分野において卓越した人間、例えば運転で言えばF1ドライバーのような(例えがやや適切ではないかもしれないが)人間のパフォーマンスの方が高い可能性がある。

 

つまり、計算、アルゴリズムを通さないシステムを、人間が持っていると仮定して、その精度は遥かに優れたものであるとすると

 

人間よりも優れたAIはプログラム言語あるいはアルゴリズムによっては記述できないという、AIが人間を超えられない決定的な問題に直面する。(この辺はロジャー・ペンローズが指摘しているところでないだろうか)この辺りはいずれまた深く論じたい。

 

商業的に言えば今のレベルのディープラーニングの普及というのは、平均的な人間の能力を上回るものを、普遍的に実現できる程度のもので(もちろんそれもかなりのインパクトはあるのだが)ある領域にコンセントレートした人間のパフォーマンスを上回ることはできないのではないだろうか。あるいは、人間が行うよりもコストが下がることが本当に起こりえるだろうか、コスト問題を解決したところから、参入されていくのは自然な流れであろう。

 

(調査および仮説検証する必要があること)

・人間の直感的なものは、無意識下に蓄積された情報を無意識で処理しているのか。これが正なら多量な無意識計算をディープラーニングで再現できる

・明示的に言語化できないが結論は出せることから推測すると、仮に無意識領域に学習経験が蓄積されているとしたら、その情報量は膨大であり、そのまま保存されていることはありえない。何らかの情報の“折りたたみ”がなされている可能性があり、それは遺伝子や言語学に繋がる可能性もある。つまり、人間はある特徴を最低限の容量で記憶する何らかの手段を持って、情報を圧縮する機能を先天的に持っている可能性が高い

・仮に直感が情報の蓄積を無しになされているとして、その精度が高い場合、外部に情報を保存しているか、蓄積した情報を変換できる強力なアナロジー機構があるか、あるいは計算によらないで結論を導ける何らかのシステムが人間に備わっている可能性があり、三つ目の仮説の場合、計算アルゴリズムでは再現できない。