IT人の政治リテラシー向上を目指して

元政治家秘書、現IT起業家が主にIT起業家、エンジニア、デザイナーなどIT業界人の政治リテラシー向上を目指して、日々のニュースや政治トピックについて言及。たまに起業ネタや映画ネタなども。5分で読める1,000文字、10分2,000字を目標。

人工知能は人間生成にいきつくというパラドクス

人工知能がスタートアップ業界でも盛り上がりを見せている。

 

Googleが目指している、欲しい情報を的確に検索できるアルゴリズムの構築などももちろん人工知能の話しだろう。

 

人工知能に関しては

特にコンピュータ的な演算能力の拡張と、人間の持つような複合的な知性の再現するコンピューターの作成と二つのアプローチが取られているように思う。

 

あくまで推測だが、前者はグノシーなどが取り組んでいるであろうベイズ統計を用いて、アルゴリズムにこれまでの経験を随時学習させ精度をあげていくやりかたである。

(これも推測だが、Googleベイズ統計に加え、独自のアルゴリズムをプログラムして精度を上げている。おそらくはベイズに組み込む条件をより増やすプログラムか、人間の思考パターンのうち法則化できるものを法則化し、回帰分析も用いて確率的な精度を上げているのではないだろうか)

 

もう一方は原丈人氏などが発案する、全くアプローチを変えたコンピューターを作ること、すなわち、人間の思考により近い人工知能を作るためには、そもそも既存のコンピューターの枠から脱却しなくてはならない、という事である。

 

個人的には原丈人の言うように(だったと思うが)、既存のコンピューターコードを書くことによる人工知能アルゴリズムの生成は、不可能であると自分は考えている。

 

なぜならば、本質的に人間というものを考えると、コンピューター頭脳との違いは、人間の脳には「感情」が存在するからである。

 

そして、人間と同様の処理能力を持つコンピューターを作る、ということは本質的に人間を生成すること、すなわち、中世では錬金術、最近ではバイオと呼ばれる領域に関することになる。

 

そして、「感情」は「社会」と「言語」と一体不可分の存在であるため、人間に近い人工知能を作る場合は、そのコンピューターに、「感情」と「社会」と「言語」機能を付加する必要がある。

 

だが、それは最早人間と呼べないだろうか。

 

逆に考えてみると、感情のない生物は社会を形成しない。殺されても文句も言わない生き物が社会を形成し得るのか、というフィクション世界を想像してみればわかる。

 

言語(テレパシーも可)がなくては意志の疎通が図れないため、それも社会を構築しない。

 

そうすると、根本的な問題として、人工知能という極めて機械的なプロジェクトを追い続けることは、生物の創生という極めて生々しいテーマに最終的に着地することになる。

 

そう思うので、ITとか理論演算の畑で盛り上がりを見せる人工知能論というのは、いささか自分には奇怪に映る。

 

これは本来はバイオ、バイオ×ITで盛り上がるところではないのだろうかと。

 

スティーブ・ホーキングなどが警告するような、自己学習するコンピューターの危険性、いわゆるターミネータースカイネット的な話しも

 

仮によくあるSFアニメのようにコンピューターが人間を通して「社会」と「言語」を学んだとして、人間の持つような複雑な感情の変化を計算して、瞬間的な値を出せるような演算コンピューターが物理的に存在し得るのか。全くメモリ不足である。

 

そして、人間の脳の特徴は「間違える」ことにある。コンピューターの計算は基本的に間違えることはない。

 

それは逆説的に言えば、間違える余地のある機能がなければ、いわゆるカオス系、日常的日本人的な言い方をすれば「空気を読む」ということができないからであり、それは感情と密接に関連をしている。

 

つまり、コンピューターに感情を付加し得たとしても、それは人間になり、同時にコンピューターが得意とする絶対的な演算能力を失うことにならないだろうか。

 

なので、スカイネット的な恐怖というのは、結局のところ、人間がコンピューターにそういう権限を与えるか否かでしかないのではないか。

 

人間のような思考を持ち、コンピューターのような絶対的な演算能力を持つ人工知能を作る、というのは右に曲がりながら左へ曲がってくれと言っているようなもので

 

ただあくまでそれを作るなら

 

むしろ、「人間」「社会」「言語」「感情」の関係性を民族ごとや、国ごとに文化人類学的に比較し、そこから擬似的にパターン化できる項目を抽出して、コンピューターに付加していった方が面白そうなものができるような気が

 

すると、今度は文系領域の話しにもなる。

 

人工知能」というと、とてもサイバーな香りがするが、すごく生ものなのが実態ではないだろうか。