読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

IT人の政治リテラシー向上を目指して

元政治家秘書、現IT起業家が主にIT起業家、エンジニア、デザイナーなどIT業界人の政治リテラシー向上を目指して、日々のニュースや政治トピックについて言及。たまに起業ネタや映画ネタなども。5分で読める1,000文字、10分2,000字を目標。

成人年齢18歳問題と移民政策について

与党が成年の年齢を20歳から18歳にまで下げる方向で動いている。一体自民党にとって何のメリットがあるのか、まずはその何故?に迫ってみる。

 

まず、選挙そのものに関してである。基本的に選挙は世帯の特徴として、親の支持政党を子供が支持し易い、という相関関係がある。従って、現状自民党を支持する層が、野党より多いのであれば、選挙年齢を引き下げることは、より自民党を有利にすることになる。

 

基本的に18歳(20歳でもだが)では全くといっていいほど、政治的な知識は乏しく、選挙民の投票行動は概ね、周囲の情報、すなわちマスコミ、家族、友人で形成されることになるからだ。

 

もう一つの理由の方が実際は大きな理由だろう。労働力不足である。日本は2050年には高齢者の割合が4割以上という超超高齢化社会を迎えようとしているが、保守派の反対もあり、移民制度は整っておらず、深刻な労働力不足が予想される。

 

そこで成人年齢を引き下げて、労働力にしようというわけだ。ということは、政府は明言していないが、若者の間で意図的に経済的な格差を作ることになる。

 

そう考えれば、今後政府は学費の補助金などの支援にはあまり動かなくなるだろう。そんなに多くの若者が大学に行く必要はないからだ。

 

皮肉な事に、移民政策というものは推進すると、日本人全体での格差は縮小する。低所得で嫌な仕事は全て移民に押し付けてしまえるからだ。そして残った高収入の仕事を日本人が独占する。その一方で移民政策を取らない事は、日本人同士での格差が増大することを意味する。

 

(実際この辺の皮膚感覚は、公然と植民地や奴隷制度を経験していない、今の現代の日本人、特に若者には分かり辛いだろうが。)

 

つまり、移民を受け入れるか否かは、多くの政策に関連する。

 

(移民を受け入れない)

→日本人間の所得差は拡大する。学費援助は削られる。都道府県の格差が増大し、沖縄と北海道の独立リスクが高まる、それによりロシア・中国からの介入が高まる。生産拠点は海外に。

 

 

(移民を受け入れる)

→社会コストが上がる。日本人間の所得差は減る。学費援助政策が実行される。連邦制・合衆国制へ向かうためアメリカとの親和性が高くなる。製造業を日本に戻しやすくなる。

 

ザッと挙げたが、他にも多くの項目に波及する。国体の在り方に関わる重大な選択である。が、よく見てみればわかると思うが、どちらにしてもメリット・デメリットは存在し、どちらが良いとは一概には言えない。

 

それに日本人の一部が豊かで一部が貧困にあるのと、外国人を貧困にさせ日本人の多くは豊かでいるのと、どっちが良いか、などというものは現代ではなかなか答えを明言できない問題である。

 

しかし、今の所、政府は保守派自民が与党なだけあってか、前者の方、つまり移民を受け入れない方向をベースに政策を組み立てている。従って、既に沖縄などでは辺野古移設を巡って問題が起きているし、貧富の差も急速に拡大している。それは何も偶然ではない。

 

そして先ほども述べたが、この辺の政策の皮膚感覚を殆どの戦後の日本人は掴み難い。

 

高齢化なら移民を入れれば良い、否、入れると社会コスト(犯罪率の上昇により)が上がる、失業者が増えるなどといった断片的な安易な部分での論争に成りやすい。

 

その本質は、日本人の大半が、現状日本という国が如何に世界から搾取して豊かになっているか、ということを実感できないからだろう。それはシーレーンなどアメリカという世界の覇権国の権益を利用させてもらっているからで、間接的な関与が多いからだ。

 

この点、欧米人、特にイギリス人は伝統的に奴隷や植民地がなくては、自分たちが如何に貧しくなるか、というのを皮膚感覚で理解している。

 

従って、イギリス人から世界平和だとか、みんなで幸せになどといった議論や提案など大体聞いたことがない。彼らは自分たちの豊かさは他者の犠牲にあることをよく知っているからだ。ユートピア的な議論をしない。

 

その本質が掴めないと、移民問題に関する連鎖的な問題を理解できず、移民問題それだけの議論で終わってしまう。

 

さて、これを政局レベルの予測に還元すると、移民が増えることは、移民たちの権益を代表とする政党の形成も促すが、移民への反発も高まり、日本の既存の政党を再び右極、左極化させるということになる。とは言っても、圧倒的に日本人が大多数であろうから、右派、つまり自民党が政権を取る。

 

従って、矛盾しているが、短期的に見ると、移民を受け入れた方が、自民党は選挙に強くなる。現状の非移民政策は自民党は支持母体のためにやっているのだが、皮肉にも選挙だけで言えば、自らを弱体化させている。(浮動票が多い日本ならではの現象だが)

 

まぁ、長期的に移民の数が増え過ぎるとアメリカのように逆転してしまうのだが。

 

(ちなみに、移民を全く取らない、という政策はオリンピックがなければあったかもしれないが、もうこの際考える必要はないだろう。)

 

そして奴隷や植民地無しでも、人々が豊かに暮らすにはどうしたら良いか?私はそれを一生費やして追い続けたい。そしてそれは日本人にしか出来ないような気もするから。